「建築」とは、人の命を守り、より良い関係性を生み出すために、物事に「色やカタチ」を与える行為なのだと考えています。私たち建築家は、よりよい生活を実現するために、よりよい関係性を導くために設計するのであり、「色やカタチ」の先にある幸せな関係性を目指して設計しています。
それぞれの場所には、その場所なりの読み解くべき状況や地形、情報の起伏があり、また、その場所に暮らしている人や、その場所で暮らしたいと願う人たちがいる、そのこと自体が可能性であり、未来への希望です。まちには十分に活用されていない事柄があり、たくさんの隠れた才能や知恵が存在する。既に存在する情報や技術、才能や知恵の可能性を信じ、翻訳的に向かい合い、生活者から出発した議論によって統合する。そのようにして生まれたまちや建築さえも自分たちの視点で読み替えていく「自走するたくましい知性」に出会うために、これからもたくさんの人びとの夢に付き合い、設計を続けたいと考えています。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
2012年 元旦
井手 健一郎