















住宅が密集して建つ市街地に計画された、鉄骨3階建ての住宅です。時間の流れに伴う生活の変化、子供の成長などの要因が重なり、この場所に開放的に暮らすことができる新しい住宅が望まれました。
クライアントである家族は、もともとこの場所にあった木造2階建ての住宅に住んでいらっしゃいました。家族は、季節や時間によって変化する太陽や月の位置、陽の光の長さなどに合わせて家事を行ったり居場所を変えたりと、自然や外部環境を楽しみながら生活していました。増築と改造が繰り返された住宅から、生活を主体的に楽しんでいる様子を十分に想像することができました。
計画を進める中で予想以上に地下水位が高いことがわかり、また、2台分の駐車スペースを確保するなどの条件もあり、2階部分を生活の中心として設計することとなりました。また、経済性・強度・壁厚を考慮し、構造は鉄骨ブレース構造(柱梁で囲まれた部分に「×」状に設置する斜材に水平力を負担させることで、柱の断面を比較的小さく設定できる)としました。そのようにして決定した基本的な住宅の外形に、家族の身体感覚と照らし合わせながら、外部環境を取り入れるための開口部を設置しました。私たちのような設計者が独自に設計するルールよりも、長い間この場所に暮らすことで培われた家族の身体感覚が、住宅の重要な意匠になるのではないかと考えました。